江戸東京博物館で開催中の「花開く江戸の園芸」展に行ってきました。
昨秋の緑化フェアTOKYOの浜離宮恩賜庭園会場で展示された「庭園都市 江戸・東京館」の内容をパワーアップさせた感じで、ぐいぐい江戸園芸の世界に惹き込まれました!
イギリスの植物学者、ロバート・フォーチュンが江戸時代に訪日した時に感じた花を愛でる日本の国民性に対する驚きからはじまり、将軍から庶民まで植物を生活や行事に欠かせないものとして取り入れていた様子、万年青や朝顔など武士が愛した奇品の数々、そこから発展していった江戸園芸三花(朝顔・花菖蒲・菊)と、どれもが美しい図版等によってストーリー作られていました。
中でも、なるほどーと思ったのは「第二章 普及する植木鉢と高まる園芸熱」で、「植木鉢」の普及が庶民へ園芸文化を広めていったという視点。
植木鉢は植物の運搬を容易にし、販売と栽培の両面からそれまでの園芸のありかたに大きな変化をもたらしていった。すなわち、植木鉢が植物の「販売」や「購入」を可能にし、それを契機に園芸植物が商品として(売るためのものとして)改良され、文化の発展につながったということだ。
お祭りや行事にも植木鉢が装飾ツールとして手軽に取り入れられたり、家の内外に陳列させたりして、より身近なものとして将軍から庶民にまで浸透していく様子が伝わってきました。
開館20周年を迎えた江戸東京博物館で、江戸時代の園芸文化を取り扱ったのは、意外にもこれが初めてなんだそうです。これからもっと江戸園芸や庭園について取り上げてもらえたらうれしいです。
・・・と望んでいる人はたっくさんいるはず!